5Gフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール
FutureAccess™
n257/n258/n261対応
- RF機能を統合したフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール
- 基地局に要求される送信出力を高効率・低消費電力で実現
- True-Time-Delay方式の移相器による高精度、高分解能なビーム方向制御
利用イメージ
5Gミリ波インフラ市場に参入
28GHz帯フェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール FutureAccess™
28GHz帯 フェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール FutureAccess™
フジクラは、3GPPバンドn257(28GHz帯)、n258(26GHz帯)、およびn261(27GHz帯)で動作する5Gミリ波通信用の フェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール(Phased Array Antenna Module、以下PAAM) FutureAccess™を製品化します。
本PAAMは自社開発したRF-ICを搭載しております。
フジクラのPAAMはアレーアンテナ、ビームフォーマIC、周波数変換ICおよびフィルターを高度に集積したモジュールです。
フジクラはこれらすべての部品を自社開発することにより、モジュールの性能を最適化することができました。フジクラのモジュールは主にインフラ用に開発されており、モバイルワイヤレスアクセス:MWA、固定ワイヤレスアクセス:FWAなどの各用途に適しています。
PAAMを搭載した評価キットの提供を開始しました。是非、お試しください。
フジクラが提供するメリット
お客様は、この高性能なモジュールを使うことで、
個々の部品を調整しアセンブリする開発期間を大幅に短縮することができます。
製品の特長
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特長 -1
デットスポットの無い高品質な通信環境
True-Time-Delay方式の移相器による高精度、高分解能なビーム方向制御が可能です。
正確なビームフォーミングにより、基地局エリア全体にデッドスポットの無い高品質な通信環境を提供します。 -
特長 -2
小型化・低コスト化の実現
基地局に要求される送信出力を高効率・低消費電力で実現します。
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特長 -3
様々な設置状況に応じた柔軟な設定
受信機の雑音指数と線形性を柔軟に設定できます。
マクロセルからマイクロセルまで様々な基地局設置状況に応じた柔軟な設定を可能にします。 -
特長 -4
両偏波同時送受信
水平と垂直の両偏波を一つのPAAMで対応可能なため、基地局の小型化や低コスト化に貢献します。
エンドユーザの満足度向上に貢献していきます。
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フジクラPAAMのブロックダイヤグラム
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PAAMの基板構成概念図
開発キット
フジクラは米国アヴネット社と共同で、ミリ波周波数帯域向けの28 GHzフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール :PAAM『FutureAccess™』を搭載した5Gミリ波通信システム開発用キットの販売を開始しました。
本開発キットにより、フジクラのPAAMとAMD社のZynq™ RFSoC* Gen3を使用した高度な 5Gミリ波通信システムのプロトタイプを迅速に開発でき、アヴネットの実績のある RFSoC Explorer® ソフトウェアによって制御することで、各種特性を容易に評価できます。
アヴネットのRFSoC Explorer® ソフトウェア(アンテナからデジタルまでシステム全体を制御するように拡張可能)は、 HDL*やソフトウェア コーディングなしで、ビームフォーミング アプリケーションを迅速に実装およびテストできる、使いやすいMATLAB アプリケーションです。
関連サイト:
アヴネット社 5G PAAM開発プラットフォーム
(外部サイトへ移動します)
5Gの通信網では周波数6GHz未満のSub-6帯、28GHz帯などのミリ波帯、という2種類の周波数帯が主に利用されます。ミリ波帯は超高速なアクセス回線やバックホール回線で主に利用され通信速度を向上することができますが、 Sub-6帯などと比較して伝搬損失が大きくなり、一般的に通信範囲は狭くなります。従って、ミリ波帯を使った無線システムの基地局は、従来のような半径数km程度のマクロセルではなく、最大数百m程度のスモールセルを中心としたものになると考えられ、高密度で設置する必要があります。
5Gの通信網
フジクラ独自のTrue-Time-Delay方式により、PAAMが信号の利得と位相を個別に制御することが可能になり、表に示すような様々な特徴を産み出しました。
その中の一つは、簡単な計算で狙った角度にビームを振ることができます。それにより、瞬時に通信することが可能となります。
独立した信号の利得と位相制御
特 徴 | 説 明 |
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モジュール化 |
最適なTCOと開発時間の短縮でお客様にメリットをもたらします。 ・ BFIC、FCIC、アンテナ基板を一体としたRFモジュールとして提供可能 ・ 24〜30GHzで動作し、n257、n258、n261をカバー ・ Tx / Rxのデュアル偏波に対応し高度に統合 |
キャリビレーションフリー | ・ 位相と振幅を独立して制御可能 ・ 個別の設定が不要 |
ビーム方向の低信号歪み | True-Time-Delay方式 移相器により、広い周波数範囲にわたって ビーム方向維持と低信号歪みを実現 |
高速で正確な ビームステアリング制御 |
65,536ビーム方向をサポートする高度なオンチップ計算モードによる超高速アクセスに対応 |
優れたデジタル再構成性能 | NF(低雑音指数)と線形性間の柔軟なトレードオフが可能 |
低消費電力と高電力効率 | 最適化 |
Low ACLP | 高QオンボードフィルターによるRFフィルタリング |
ミリ波通信の潜在力
ギガビットクラスの高速通信を実現する ライセンスドバンドミリ波通信
大容量のデータを一度に素早く送受信するためには、通信速度の向上が欠かせません。通信速度向上のための手段の一つとして、広い周波数帯域の利用が挙げられます。現在使用されている周波数帯域は、極超短波、センチメートル波といわれる帯域ですが、これらの帯域は様々な用途で分割して使用されているため、広い帯域幅を確保することが出来ません。
例えば、国際標準化団体(3GPP)で規定された5G向け周波数帯には、sub-6帯やミリ波帯の28GHz帯などがあります。sub-6帯のn77では900MHz幅(3.3-4.2GHz)、n79では600MHz幅(4.4-5.0GHz)と比較的狭い帯域幅が割り当てられています。一方28GHz帯ではn257で3GHz幅(26.5-29.5GHz)、n258で3.25GHz幅(24.25-27.5GHz)と広い帯域幅が割り当てられています。この広い帯域幅によって通信速度は桁違いに上がり、ギガビットクラスの高速通信が可能になります。
無線通信に用いられる周波数帯
世界各国の5Gインフラ構築を推進される
お客様に向けて、PAAMをご提供していくことで
5Gモバイルネットワークの構築および
5Gサービスの提供と拡大に貢献してまいります。