関西電力、フジクラ、他路線バスを使った安全運転支援実証で60GHz帯高速通信実験に成功
当社フジクラは、兵庫県姫路市において、2021年3月15日から18日の4日間、関西電力、京セラ、神姫バス、パナソニック システムネットワークス開発研究所、マゼランシステムズジャパンと合同で安全運転支援実証を行い、電柱を活用した「路車間通信*1」において当社60GHzミリ波無線通信モジュールを使った高速無線通信に成功しました。
本実証は、信号機のない見通しの悪い交差点において、電柱を活用した「路車間通信」および自転車との「車車間通信*2」による路線バスへの安全運転支援の有効性を確認するもので、営業運転中の路線バスを使ったこれらの安全運転支援の実証は、全国で初めての取り組みでした。
当社は、「路車間通信」の実証向けに、60GHzミリ波無線通信モジュールを搭載した通信装置を電柱及び路線バスに設置し、電柱に設置したその他各種通信機器と路線バスの間を高速無線接続することで、車載カメラ映像のリアルタイムアップロード、及び安全運転支援に必要となる車両位置の高精度測位に必要なGNSS補正データ*3の伝送に成功しました。
当社開発の60GHzミリ波無線通信モジュールは、世界トップクラスの通信スピード(max3.5Gbps)と長距離伝送(>500m)を特長としています。現在、固定通信だけでなく、運送関連車両、工事・作業車両、工場内等を移動するAGV*4といった様々な車両に搭載する「V2X*5向け機器」への適用についての検討も加速させています。
用語の説明
*1 路車間通信:各種走行支援のために道路に設置された通信設備と車両との間で行われる双方向通信のこと
*2 車車間通信:各種走行支援のために車両同士で行われる双方向通信のこと
*3 GNSS補正データ:GNSS(Global Navigation Satellite System /全球測位衛星システム)衛星のクロック誤差や電離層通過による電波遅延などに対する補正データを地上の基準局が生成し、無線やインターネット等を介して移動局側に送信することによりcm級の測位精度を実現する
*4 AGV:Automatic Guided Vehicle。産業用途で利用される無人搬送車
*5 V2X:Vehicle to X。自動車と自動車、人、ネットワークと相互接続しデータのやり取りをすること